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トップNPO法人支援センターあんしん > 新潟県中越地震から10年 今も続く支援に感謝

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新潟県中越地震から10年
今も続く支援に感謝

手作りネックレス

私たち、あんしんが今日ここまでに至った過程で10年前の中越地震における出来事を忘れる訳にはいきません。

写真の手作りネックレスはスイス国シュビーツ市在住の日本人 押川ガイス恵美さんから頂いたものです。ここにも10年間の重みが隠されていました。


2004年(平成16)10月23日、新潟県中越地域を震源とする震度7という強烈な直下型地震が発生しました。その際、私どもが借家していた施設や操業まもないトイレットペーパー工場が壊滅的な被害を受けてしまいました。その頃のあんしんはまだ利用者11名、無認可(非公認)の小規模作業所であり公的支援が一切受けられない立場でした。

修繕の資金もなく、また大家さんからは被害を受けて使用を禁止された建物を降雪前に解体したいとのお話もあり、連日途方に暮れていました。


そんなとき11月16日(火)毎日新聞全国版に記事が載ったのです。


(以下抜粋)

障害作業所半壊も支援なく…新潟県中越地震
障害がある人の働ける場を作ろうと、新潟県十日町市のNPO(非営利組織)が昨年11月から運営していたトイレットペーパー製造所が、新潟県中越地震で半壊した。修復には数百万円かかるが、運営組織が社会福祉法人でないため、国や県の支援は受けられず、復旧のメドは立っていない。(中略) 県のまとめでは、被災地には14ヶ所の小規模作業所があるが、建物が半壊するなどの被害を受けたのは、あんしんだけ。作業をしている橋本春美さん(38)は、「早く作業所が使えるようになってほしい」と話している。あんしんは義援金を呼びかけている。お問い合わせは同センター(0257・50・2566)



この記事の英字版が流れると、スイス日本人会で邦人向けミニコミ誌「GRUEZI」グリエツイを発行している野嶋 篤氏と押川ガイス恵美氏がすぐさま反応してくださいました。

お二人は新聞記事で知った小規模作業所の苦境を会員の皆様に訴えかけて、多くの支援者と義援金をまとめてくれたのです。

あんしんは全国各地から大勢の皆様方に支援を頂き復興することが出来たのですが、この遠い海外からの支援には本当に驚きました。

その後、「いつか必ずお礼を言いにスイスに行きたい」と思いつつ、いつの間にか10年が経っていたのです。


手作りネックレス

今回、ペレットストーブ&ボイラーの展示会でドイツ・フランクフルトやイタリア・ミラノに行く用が発生しました。その途中で立ち寄れば、10年前のお礼が実現できるのではないかと思いました。「念ずれば花開く」とはよく言ったものです。念願かなってお二人に連絡が取れて3月9日にお会いすることになりました。

残念ながら野嶋氏は体調不良のためお会い出来ませんでしたが、押川さんと首都チューリッヒで面会できました。


押川さんはとても明るく気さくな方で、スイス人のご主人とは日本で結婚し、現在スイスの高原の町で暮らしている国際人でした。若い時からボランティア活動に関わり、60歳を過ぎた現在も身寄りのない子供たちのためにスイスの人たちと共に日常的にバザーを開いて支援を続けておられるという方でした。


日本における地震を知り、何か役に立ちたいと考え約6000人のスイス在住日本人に呼びかけてくださったのですが、誰にでも簡単にできることではありません。お二人の強い慈愛の心と行動力がなければ成し得ないことと思います。

また大組織に送るよりも、支援先がよく見える所に送ったほうが良いということから送付先をあんしん1本にしてくださったのだそうです。

「10年前のことを覚えていてわざわざお礼に来てくれて本当に嬉しい」と言って頂きました。


私たちからのお礼として、あんしん利用者の描いた額装絵画と、手作りフクロウのブローチを贈り、たいへん喜んでいただきました。今度このブローチをバザーに使いたいとも言ってくださいました。

そして押川さん手製のネックレスが、あんしんにプレゼントされました。細いステンレス製の針金にガラス細工が美しく輝いています。スイスの孤児院のバザーで販売しているものとお聞きしました。このような手作り品を通じて福祉の国際交流が出来ればいいですねともおっしゃいました。


世界中どこにいても心は通い合うものと実感したことでした。頂いたネックレスは、美しいスイスの高原の町と日本の雪深い十日町を福祉の心と心をつなぐ象徴として大切にしていきたいと思います。


いつかは震災から立ち直り元気に成長したあんしんの皆さんの笑顔も、スイスで活躍している日本人会の皆さんに見てもらいたいと思います。

「念ずれば花開く」を胸に。

手作りネックレス

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